ある日、地元福岡のTV局のH氏から電話をいただきました。
いろいろ多くのSPを聴いたけれどもこのJBL4333A(アルニコ)の音が忘れられない、
是非ともこれを復活して欲しい、とのことでした。
3月に結婚するのでそれまでに、と。
拝見しました。エッジはぼろぼろで、ネットワークなど全てが不良といえます。
時間を掛けて修理させて頂きましたので、ご報告致します。
JBL 4333Aは音離れも良く、帯域バランスの良さはJBLの中でも最右翼です。
ユニットは38cmの2231Aウーハー、
2420ドライバー + 2312ホーン + 2308音響レンズ、
2405ツイーターと3WAYのNWです。
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1.SPボックス
SPボックスのレストアから始めました。
傷が多いです。
傷は丁寧に全てパテ埋めをし、
細かい傷は細めの紙ヤスリで丁寧に磨きます。
自分の子供のように作業を行います。
そして 本格的な塗装行程にはいります。
2.ネットワーク
JBLでも他のメーカーでもどれもそうですが、
価格の割に端子・SWは粗悪品が多いです。
コストを追求すればこんなものかも知れません。
私は残念と思います。
ネットワーク及び後部の端子板を外します。
マルチアンプ切替端子は端子の酸化が酷く、本当は交換したいのですが、
音色が変わることを恐れ、分解研磨-酸化還元-再度組み替えます。
半田吸い取り機で古い半田は吸い取り、高価な高音質半田で再加工します。
ケーブルは入力端子板に大型のSP端子を取り付けるため丁寧に加工します。
また当社は現代の新素材のケーブルを使いません。
理由はこの硬く細いベルデンのワイヤーがナチュラルだからです。
これを変えたらJBLの音でなくなります。
雑誌に改造記事が有りますがそれは、私は改悪と考えます。
長い内に必ず飽きがきます。
古い基盤の接着剤を剥がし強力な新接着剤を使用し、裏板の鳴きを止めます。
これで大型の削りだしSP端子が付きました。6mmの大型コードを使用できます。
3.アッテネーター
4343/4333/4344でもこのレストアで大事な部分にATTの修理が有ります。
ATTは、JBL4333Aには2つ、16オームと8オームの無誘導巻き線型抵抗器が着いています。
これが、汚れやカーボンなどで接触不良を起こします。
昔はALPS電気製とVAIOLET社製で、
現在の16オームは台湾製と記憶します。
交換も考えましたが音色の点で分解-研磨-再度組み立てしました。
素人はCRCなどの接点復活材を使用しますが、お止めください。基盤が傷みます。
当然カーボン除去はシンナーを使用します。
紙ペーパーの細いの時間を掛けて作業をします。時間の掛かる仕事です。
これは福岡県新宮町のH氏のご厚意で掲載いたしました。
名器JBL 4333Aを復活させる(その2)
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