KLEIN-HUMMEL(独) VS-70 アンプの修理
昔からのお客さまの依頼で、クライン-フンメル(独) VS-70を修理しました。
製造はトランジスタアンプが小型化で世に出た時期の1970年代ですが、
これは真空菅式です。
使用球はトッププレートのEL36で、もともとPhilips製でした。
これを、同社と提携していた松下電器が国産化しましたが、
非常に安く高性能の真空管だったため、日本で爆発的にヒットしました。
今回修理したKLEIN-HUMMEL社のVS-70は、TR初期の時代の回路構成で、
小型化をするため無理をし、最低規格の部品使用しています。
真空管などをスラント取り付けする、
小型の出力トランスするなど、
基本的に回路・部品の選択に無理が感じられ、
基盤配線も不備です。
結果としてハムが取れない!!
この為、電源回路の外出し!!を計画しました。
その際、電源は全てAC100Vで作動するように改造します。
このほかに電源コンデンサーその他の不良など、
全てのモノは交換したいのですが、分解-研磨しました。
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修理に掛かります。
1 基盤洗浄 確認
2 全部品を測定-不良部品-削除-交換
3 研磨修理
真空管ソケット 不良多 6 分解 研磨
セレクター 不良多 6 分解 研磨
SP端子 酸化多い 4 研磨
DIN 端子 酸化多い 4 交換必用ですが研磨
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5 別シャーシ新設
6 追加 30年前の高音質のコンデンサー
MALLORY 1000μF 220vdc 2 追加
MALLORY 3300μF 100vdc 2 追加
サンガモ 5500μF 15vdc 2 ヒータ用 追加
スピラグ 2900μF 200vdc 2 追加
Rubycon 100μF 350vdc 2 追加
MALLORY 590μF 200vdc 2 追加
NipponConnd 1000μF 63vdc 2 バイアス 追加
7 組み立て |



最後の段階でアース基点不良、これに3ヶ月かかりました。
理由はいろんな方が修理したようで、
アース基点の統一が取れてないのが問題点でした。
とにかく大変でした。
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8 AC/DCバランス調整
9 特性測定実行
10 50時間エージング、異常なし
11 古いため60日無料保証
特性はそんなに良くないのですが、
人の声、弦の響きが前に出ます。
これは不思議です。
HI-FIというより、ゆっくり聴けるアンプと理解しました。
素晴らしい音です。 |

2010年10月18日
これは兵庫県神埼郡 K氏様のご好意で掲載しました。
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