タンノイの創設者ガイ・ルパート・ファウンテン(Guy Rupert Fountain)は
1977年12月10日に76歳の生涯を閉じますが、
自らの署名を刻んだAUTOGRAPHは単にタンノイ社にとってだけでなく
オーディオ史上において忘れられない名器となっています。
このタンノイのオートグラフを語る言葉は数多くありますが、
五味康祐氏の『わがタンノイ オートグラフ』という文章の末尾には次のような記載があります。
「そうしたタンノイのさらに美しい音を聴くために私はいま完璧なリスニングルーム建築の夢を抱いている。また庭も十分に出来ていない。私には借金こそあれ一文の貯えもない。しかし建てねばなるまい。何年かかるか、タンノイを完璧にならすために、高貴な婦人をいわば迎えるためにふさわしい部家を私は用意せねばならないだろう。それが愛情の責任というものだろう」
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タンノイのオートグラフを最近修理しましたので、一部画像公開します。
1.まずフロントグリルの底部に木ねじ4本でグリルを外します。
2.ユニットの廻り4本のM8の六角ネジ4本をゆるめます。
3.ユニットのフロントホーンバッフルの鉄製木ねじほとんど+ネジ外します。
4.HPD385でもGOLD15でもこの8本(4本は先ほど外しTEA4本)の六角ネジで止めてあります。
5.残りの4本は12-3-6-9時の方向でBOXに取り付けてあります。
6.すべて外すとユニットが取れます。
7.今回の修理はエッジ交換(これはHPD385初期アルニコ仕様)です。
8.修理途中にHI側の端子が欠損して高域が出ないため高域のバイパス手術です。
9.ユニット本体の裏端子から直接+−を引き出し、NW接続端子の結合します。
10.タンノイのユニット側の4本端子は4本ですが、NWからは3本しか線が行きません。
つまりアース(−側)は共用なのです。
11.インターコネクタ3本線のマイナスネジの差し込み強く締めます。
12.現代の方は何とタンノイはぼろなコードを使用している!と言った方がおられましたが、
これはワザと作った物と考えられます。これらの粗末?な部品もあの音つくりです。
13.さっきの逆を行い修理完成です。
画像の物はシンコウシャ製オートグラフ、ユニットはHPD385です。
使用機器はMAICRO/RX3000システム、DL103SA/MCカートリッジ、DENON/HA500
当社のフルメンテによる球プリLUX/CL32+球パワーLUX/MQ80
この画像は熊本県N氏の御好意により掲載させていただきます。
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